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防水処理、仕上がりです。

八月中旬、以前工事をさせていただいた古い若草石の再利用の土留め石でしたが、風化した石の表面が剥離して歩道側にこぼれ落ちているとのことで、対策をすることになりました。

お施主様の願いは、「歩道に剥離した石のくずが落ちて歩行者に迷惑をかけるのは世間様に申し訳ない」、ということで、最悪の場合、石を撤去してコンクリート擁壁にするという話も出ましたが、私としてもせっかく価値のある古い若草石を撤去してコンクリートでは、味気ないものになってしまう!と感じたので、なんとか対策を考えてみました。

まず、なぜ剥離したのかを考察してみたのですが、考えられることは二つ、①土の水分が石の中に入り、外側へ出るを繰り返すことにより、石の表面に剥離が起こる。②交通量の多い国道に面していることから、酸性雨によって溶ける。などと推理しました。

では、その対策としてどのようにしたかというと。「アクトビズ、AD-スーパーⅡ」という軟石用浸透性吸水防止剤を、土に接している面に塗布することにしました。私も初めて使うこの薬品の塗布で期待できる効果は、砂岩系伊豆石、大谷石やコンクリートなど、中に薬剤が浸透して吸水率を十分の一まで低下させるそうです。よって、これ以上の剥離も緩やかになることを期待しました。

以下、メーカーのカタログの一部引用です。

アドバンスのAD-スーパー・AD-スーパーIIは
吸水率が非常に高い大谷石にAD-COATを塗布し、
吸水率を低下させる事で石自体の強度が低下を軽減できるか否かの
確認試験を行っています。

公的機関にてJIS A 5003による吸水率測定試験
ADースーパー・ADスーパーIIを塗布した大谷石は、どちらも
無塗布の大谷石と比べると吸水率が10分の1以下に減少しました。

さらに吸水率を大幅に低下させ、強度も維持できている事から
吸水防止処理を行う事は石自体の保護に十分有用であると判断できる結果となりました

以上 とありました。

実際の工事は、裏に入っている土を掘り出して石の裏面を露出させて一週間ほど乾燥させて、それからAD-スーパーⅡを防水塗布、また完全乾燥まで一週間放置して、それから土を戻して終了となりました。

梅雨が完全に明けるのを待って防水工事を行いました。実際の工事は2日程度なのですが、乾燥時間など含めると2週間ほどの長期工程となりました。

余った防水材を表面にも塗布してみたのですが、塗布表面に気になるような艶などの変化が出ないので良い感じです、むしろ少々のウエット感があって、石が一番綺麗に見える色合いを良い感じにキープしているようです。

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水をみごと、弾いてくれています。

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4リットル缶、10㎡塗布出来ました。物は2万円です。

当初の目的を果たせたか、結果はこれから出るので、今後、石の変化の様子を観察していきたいと思います。